アパレル業界未経験でも、オーダーメイド専門店の店員として
基本の採寸から、スーツの専門的な採寸規定など、
開業前の研修で必要な知識を身につけることが可能なため、
安心して開業・接客していただけます。
御幸毛織の採寸技術
採寸におけるノウハウは、各個人や店舗によって目指す採寸=スタイルがあり、またファッション(流行)という流動的部分も含まれるため、一概に「これが全て正しい」と確実に決定づけられるものではありません。ここで掲載するMNPの採寸技術は、一般的且つ最大公約数であるとされる、イージーオーダーの採寸方式と、御幸毛織及び、グループ縫製工場の採寸に対する考え方を加味した採寸方針となります。
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きめ細かな採寸と体型補正技術。
縫製工場から「細かすぎる」と言われることもしばしばです。御幸毛織直営のオーダーサロンでのフィッティング(採寸)は、経験を積んだフィッターが行います。彼らは、服地、縫製、ファッションのすべてに精通した服のマイスターです。ひとりでフルオーダー(丸縫い)のスーツが縫えるスタッフもいます。ビスポークテーラーの伝統を受け継ぎ、お客様との対話から、ライフスタイル、ビジネスか日常着か、着用する場面はどうなのかなど、お客様と服との関係を伺います。ただ服を売るのではなく、お客様が服を選び、つくり上げるプロセスに時間をかけるのです。
総丈、肩幅や胸囲など、20項目を細かく採寸し、オーダーシートに書き込みます。ここで、各部分の寸法だけでなく、より高い着用感、フィット感を実現するため、なで肩や怒り肩、反身体や屈身体など、体型の特徴を最低10項目ほど書き加えます。さらに、シートの欄外に、全体のバランスを考慮したフィッターの注意事項を書き添えます。
ゲージ服を用いた採寸手順
ゲージ服を着ていただくことで、着丈のバランスやシルエットなどの
仕上がりをイメージしやすくなります。“仮縫い”のプロセスを含み、
且つ縫製の完成度を高めることが出来ます。
ゲージ服とは、お客様の体形や好みに合ったオーダースーツを作る際、実際に試着出来るサンプルです。ゲージ服のサイズ数が多いほど仕上がり時のサイズ感をはじめとしたトラブルも少なくなります。お客様への最適なサイジングのために、MNPが提供するミニマムのゲージ服セット(例: 44 – 52の5サイズ)は是非とも必要と考えます。ゲージ服を用いたより詳細な採寸技術は、開業前の研修等でも習得していただけます。
Step 1
お客様を採寸し、“標準規格”で作った豊富なサイズバリエーションのゲージ服(例: 44 – 52の5サイズ)から、体型寸法に合った服を用意します。
Step 2
ジャストフィットはもちろんのこと、着せつけた際の”シワ”の生じ方や、背中ベントの開き具合、前身裾の重なり具合などお一人ごとに異なる体型をじっくり見極め、体型観察(参考: Fitting Tips)をします。
Step 3
お客様の最適なサイズ、フォルムを達成するために、独自の補正システムにて修正を採寸表を基にエントリーし、当社ファクトリーへオーダーしていただきます。
Fitting Tips
実際にお客様を採寸する際に気を配ること、体型の観察方法など、
御幸毛織の直営オーダースーツサロン事業などで培われた
フィッティングノウハウの一部をTipsとしてご紹介します。
Tips 1/5
採寸を始める前に
お客様がTシャツやスウェット等をお召しで、正確な採寸を行えない場合は、フィッティング用に用意しているドレスシャツ(ワイシャツ)などがあれば、なるべく着替えて頂き採寸を行うことが望ましい接客であると考えます。また、リラックスして肩の力を抜いていただいたり(体系補正の感覚が変わってしまうため)鏡の前に立つと無意識に胸を張ってしまいがちなので、普段通りの姿勢になっていただくよう心がけます。
Tips 2/5
屈身体型観察
前身は腹囲の位置で折れ、フロントが後ろへ流れます。後身頃の首回りは抜け気味になり、背はベント先に向かって浮いてしまう傾向にあります。基本的に屈身体型の人は体のバランスを取るために下半身は前腰気味になることが多く、パンツは尻下に棚ジワができることが多く見られます。これらの解決補正については、研修で学んでいただけます。
腹囲で折れる
背が跳ねる
首の入りが少し抜け気味になり、後裾が上がりやすくなる
Tips 3/5
反身体型観察
背中は腰で折れベントが開きます。後身頃首回りは前身に対し突っ張り、フロントが拝み開きが少なくなります。基本的に反身体型の人は体のバランスをとるために下半身は後腰気味になることが多く、パンツは前身から尻方向に向かって突っ張るようなシワが入る傾向があります。これらの解決補正については、研修で学んでいただけます。
フロントが拝む形になり開きが少なくなる
背中が折れる
前裾が上がる
Tips 4/5
撫肩体型観察
肩線の肩先が落ちるようなタスキじわができる場合は撫肩と推察できます。ただし肩先に向かって背中心から肩線が捻れたようなシワがみられる場合は前肩先がつっかえて発生している不具合なので、これを撫肩と同じように補正すると余計にシワが酷くなります。よって撫肩体を観察する場合は、前後から体型観察し正しい補正を見分けることが必要です。これらの解決補正については、研修で学んでいただけます。
肩先が下がりタスキじわが出ている
Tips 5/5
怒肩体型観察
肩線の肩先が高い位置にあり、肩の斜線に沿わずに肩先が浮いた状態となることで、余剰分が第7頸椎の首下辺り(ツキ)に溜まりシワとなる現象です。所見としての体型観察としては比較的簡単な部類ではあるものの、解決補正としてどんな補正を施すかで若干の変化に対応する必要があります。これらの解決補正については、研修で学んでいただけます。
肩先が上がりツキじわが出る